ブルーストーン採掘場

ボードゲームやらなんやかんや。

ゲームを語る:ライアーズダイス

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『ライアーズダイス』は、最大6人まで遊べるダイスゲームです。各自5個ずつのダイスを振り、ダイスカップの中に隠しておきます。自分の出した目だけをこっそり見ながら「3が8個」とか「5が10個」などと宣言し、全員合わせてどの目がいくつ出ているかをあてるのが目的です。

 といっても、目の数の宣言には根拠はいりません。自分の出目の中に6が一つもないのに「6が12個」などとシレっと宣言しても構わないのです。そこが「ライアーズ」たる由縁。最も、その宣言が嘘だと思った次のプレイヤーは、「チャレンジ」といって前のプレイヤーを告発することができます。そして、全員のカップをオープンして実際のダイスの数を確認します。宣言よりも少なければ宣言したプレイヤーがアウト、逆に宣言した数以上あれば告発したプレイヤーがアウト。実際の数との差の分だけダイスを没収され、最後の1人になるまで残れば勝利です。


アメリカのミルトン・ブラッドレー社から発売され、日本ではツクダ・オリジナルが販売していました。既に絶版ですが、その後『ブラフ』としてリメイクされ、比較的入手も容易です。ルールもほとんど同じの『ライアーズダイス』と『ブラフ』なのですが、筆者はどうしても『ライアーズダイス』でないと遊んだ気になりません。その理由とは……。


●『ライアーズダイス』はうるさい
『ライアーズダイス』は、『ブラフ』に比べてダイスもダイスカップも大きく、また固い素材を使っています。そのせいか『ライアーズダイス』でカップに入れたダイスを振ると、とにかくうるさい。なにせ最大30個のダイスを一斉にガランガランやるわけですから、うるさいことこの上ないです。え?じゃあ、静かな『ブラフ』の方がいいんじゃないかって?いやいやいやいや……。

●『ブラフ』には6がない
『ライアーズダイス』『ブラフ』どちらのダイスにも「☆」の目があります。これはワイルドカード扱いでどの目の宣言の時にも数えることができるのですが、違うところが一つ。『ライアーズダイス』では1の目が「☆」になっているのですが、『ブラフ』では6の目が「☆」になっているのです。「1がないか6がないかだけで同じじゃないか!」と思われましたか。確かにそうです。そうではあるんですが……。

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●サルのように遊んでいた大学時代
筆者が初めて『ライアーズダイス』を知ったのはパズル通信『ニコリ』誌上で紹介された時でした。1989年秋発売の号です。当時はまだ浪人の身でしたのですぐに遊ぶことはできませんでした。大学入学後に参加したニコリ読者の集りでようやく遊ぶことができました。そうしたら、その面白いこと面白いこと。確率計算を元に考えるのが基本なんですが、ハッタリを効かせた騙し合いに大笑いしたり、とんでもない出目の偏りに泣かされたりと、実に楽しいゲームだというのが少し遊んですぐにわかりました。

当然のように欲しくなり、翌日慌てて探しに行きました。確か奥野かるた店でやっとみつけて購入したと記憶しています。さらに次の日に大学に持ち込み、サークルの部室で遊んだところ、やはり大ウケ。気がつけば皆で毎日のように遊んでおりました。6人プレイを公式戦として記録をつけ、勝ち点だか勝率だかで月間「うそつき大王」の称号を争ったりもしていたくらいです。そんなわけで6年間の大学生活の間(ダブってはいませんよ!)にさんざんやった『ライアーズダイス』ですので、もはや体に染み付いてしまっておりまして、6の目がなかったりあんまりうるさくなかったりするとどうにも遊んだ気がしないわけなのです。


購入からかれこれ20年以上たち、セットはかなりくたびれています。ダイスも一個なくなって市販のダイスが混っていますし、カップにもちょっとヒビが入っています。当時カップにぴったりだったチップスターの蓋も気がつけばなくなり、蓋のサイズもかわってしまいました。でも、自分はこれからも『ブラフ』では遊ばずにこの『ライアーズダイス』で遊んでいくことでしょう。慣れ親しんだ道具というものはなかなか手放せないもの、と言えばわかっていただけるでしょうか。

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ただ、それはあくまで筆者個人の体験に根差したものですから、これを読んで面白そうだなと思ったら是非『ブラフ』で遊んでみてください。嘘をつくドキドキ感、相手をだました時の快感、だまされた時の悔しさが味わえるはずです。ゲーム自体の面白さは、『ライアーズダイス』も『ブラフ』もまったくかわりませんので。