入院の日々 第6話『忙殺』
1月6日(木)
6時17分起床。今日ははじめて看護師さんに起こされた。不覚なり。毎度の点眼も慣れてきて一発で決まるようになってきた。いい感じです。
朝食は、入院後初めてのパン食でした。ロールパンを噛みしめる。バナナ美味しい。
いつもなら9時頃に点滴が始まるのだが今日はなかなか始まらないなあ、朝イチの診察来ちゃわないかしら、とやや不安になっていたところ10時にようやく点滴薬到着。いざ開始、と思ったら病室に点滴棒が一本もない。看護師さんたちがどうしたんだろう?と思案しているところにリハビリのAさんも現れてプチ渋滞。とりあえずベッドに刺すタイプの点滴棒を調達してきてもらい、難を逃がれる。これだと移動できないけれど、マッサージの間に点滴も進むのでまあ問題ないでしょう。
母さん、僕のあの点滴棒、どうしたんでしょうね……。
11時前くらいに、糖尿病の専門医の先生がいらっしゃる。これまでの糖尿病治療や薬のことを詳しく聞き取り調査するのだそうだ。怒られるかと思ったが、色々あって投薬治療をサボってた時期があったりしたことも正直に告げる。別に怒られなかったが、もうサボりません、大丈夫です。結局、これまでの状況と現状を考え合わせると、入院中の血糖コントロールがうまくいっていれば再び投薬のみでインスリン注射はしなくてもよい状態まで持っていけそうらしい。ありがとうございます。もうサボりません(大事なことなので2回言いました)。
その後すぐに耳鼻科のB先生がやってくる。今日は回診だったんですね。麻痺の様子を経過観察。引き続き特に悪化はしてない模様で、よしよし。
お昼を食べ、お茶を汲みにデイルームまで行き窓の外を見ると、思った以上の雪だった。あらら、これは積もるね。車があぶなそうなので、今日の洗濯物受け渡しはなしで良い、と妻に連絡。毎日は大変だし、1日くらいは手持ちでなんとかなるなる。
そんなこんなでちょっと一安心したものの、今日は朝から気温も低く、天候もよろしくないため若干気分は落ち込み気味。あんまりやる気も出ないので音楽聞きながら寝て過ごす。こういうのはじっとしてやり過ごすしかない、というのが長年の経験による結論であります。結局、昼食以外は15時位までひたすら寝たおして、なんとかなりました。
それにしても今日はいつもより看護師さん達がが全体にバタバタしていて、なんやかや後手後手になっているっぽい。点滴棒の行方不明もそんなバタバタのうちの一つなのかもしれない。やはり慢性的に人手不足のようだ。ほんとうに大変だなあ。お世話になります。ちなみに夜勤の方に聞いたところ、勤務は17時から9時までだという。夜でもふと目が覚めたときに、他の患者さんのお世話をしたり、空いた部屋の次の準備をしている音が聞こえることがあるので、結構やることはあるようだ。そんな忙しそうな看護師さん達だが、総じて皆丁寧で優しく対応してくれる。マッサージのAさんによると、他の病院の看護師さんはもっとピリピリしていることも珍しくないそうで、ここは皆優しくて良いですよ、とこっそり教えてくれた。おかげさまでこちらもゆったり過ごせております。感謝感謝。
目が覚めてからは、軽くメールチェック、ニュースチェックなどをした後にブログ書きにいそしむ。しっかり休んだおかげか、書き始めると徐々に調子が出てきて無事一丁あがり。賞味2時間くらいかな?しかし、そのうち予告に30分ほどかかっているのですよ(笑)。もう少し時間短縮できるといいかな。
あ、今日は寝る前の血糖値書き忘れてる。やはりどこか抜けているな。ま、明日明日。
予告
下された指令に従うは兵士に絶対の掟。だが、微かに残る人の心がそれを許さない。揺れ動く意識のまま訪れた階下は、さらなる緊張をキリコに強いる。どこだ。どこまで歩けばよいのだ。部屋に戻れるのはいつなのだ。秘かに、しかし確実に心を蝕まれながら終わりなき探索と絶望を繰り返す、そこはダイダロスの迷宮。
次回、『彷徨』。果てなき旅路の先には、一雫の希望。