ブルーストーン採掘場

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iPhoneでemacs その1

iPhoneemacs環境が構築できたのに感動したので、備忘録も兼ねて情報をまとめておくことに。

きっかけは、メインマシンを更新し、PC環境の見直しをいろいろと更新したことに始まる。自分にとって最低限必要なのは安定したテキスト入力環境である。なので新たにPCを導入した際に真先にインストールするのは、ファイル操作になくてはならない2画面ファイラーとテキストエディタだ。そしてテキストエディタというとemacs一択になる。きっかけはそれほど深い理由はなく、大学時代に初めて使ったテキストエディタemacsだった、という程度だ。そのままキーバインドや使い勝手が手に馴染んでしまい、今にいたる。他のエディタを使ったこともあるが、キーバインドemacs likeにカスタマイズするのも面倒なので、結局emacsに帰ってくる。さらに、ある時期にskkに興味を持って使いはじめたところこれがさらに手に馴染んでしまい、もう離れられない。そんなわけでemacs+skkというテキスト入力環境以外には考えられないという体になってしまったというわけだ。

さて一方iPhoneであるが、これは最初からフリック入力に慣れてしまったので、基本ここから動いていない。メモ的にテキスト入力をしたり、Twitterに投稿したりといった用途ではこれで大きな問題はなかった。ある程度まとまった文章を入力する際にはPCのエディタで、という切り分けがはっきりしていたので、iPhone上でエディタも含めたテキスト環境を整備するということはほとんどしてこなかった。

しかし、この一連の環境整備の中でふと気付いた。以前は小さかったディスプレイも、iPhone11 pro maxの導入により大型化している。PC用に新調したワイヤレスメカニカルキーボードのおかげでApple Wireless Keyboardが浮いてしまっているが、これをiPhone専用にすれば、最小限の長文入力環境ができるのでは?と。

そうなると俄然環境構築好きの血が騒ぐ。まずはemacsに近いiPhoneアプリがないか調べてみた。するとすぐに発見できたのが「NotEmacs」というアプリ。

Not Emacs

Not Emacs

  • Marc Feeley
  • 仕事効率化
  • 無料

apps.apple.com

Webブラウザ用「Ymacs」を移植したものということだった。善は急げ、早速導入して起動してみる。おお、ちゃんとemacsの画面だ!と思ったのも束の間、すぐに問題発生。日本語入力がうまくいかないのである。Bluetooth接続の外部キーボードでは、いくつかある日本語入力を選んでもアルファベットになってしまう。本体のフリック入力だと、変換まではできるものの確定すると最初の1文字しか残らない。これでは使いものにならない。ならばskkを導入してしまえば?とも思ったが、「NotEmacs」はあくまでEmacs風アプリで、emacs-lispは動かない模様(その代わりGambit-schemeという言語が動くらしい)。当然ながら導入する手段がない。残念ながらあきらめざるを得ないようだ。

ということでさらなる情報を求めてWebの検索に戻る。

パッと出てくるのはJailBreak前提でEmacsをインストールするものだが、JailBreakする気はないのでこれはスルー。根気良く情報を探っていくと、どうやら「iSH」というLinux環境のエミュレーターアプリがあるらしい。この環境上で色々なものを動かせるようだ。

qiita.com

 

gigazine.net

さらに情報を探っていくと、ついに2022年のTwitterの投稿を発見。

 

「ish」がAppleの規約とギリギリの戦いをしていて、いつ消されてもおかしくないからipaをバックアップしておきたい、ということから初まったツリーだが、emacs動かしてる!さらっとddskk導入したって書いてある!しかもiPhoneの日本語入力でも入力可能だと!?

さらによく見たら、最初の方に見つけていた以下のページでもさりげなくemacsのインストール手順を書いてあるじゃないですか!

qiita.com

というわけで上記の情報を参考にしたらあっさりemacsが動いてしまいました。問題になりそうなCtrl等の修飾キーの問題も概ねTwitterのツリーに書いてあり即座に解決!やったああああああああ! これで最小限のモバイルテキスト入力環境が我が手に!

iPhoneemacsが起動したの図

 

というところで一見めでたしめでたしのように見えて、次回に続く。