ブルーストーン採掘場

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入院の日々 第2話『入院』

午前7時過ぎ、2日から開いていた総合病院に到着。受け付け開始は8時からだが、病院のやっていないこの時期は結構混むのでは?と思ったがあっさり整理券2番をゲットした。とはいえ8時までは入れないのでそのまま車の中でしばらく待つ。

8時に受付が始まり、初診だからとその旨伝えて書類を提出したところ、通院記録があるとのこと。あれ?と思ってカード入れを探したらしっかり診察券があった。すっかり忘れてた。多分病院が移転前に通ったのだろう。うん。

さて、9時からようやく診察開始。
問診票に主立った症状をしっかり書いたこともあり、すぐに顔面神経麻痺だねと判断がくだる。先生によれば、現状は軽症~中等症のはじまりくらいとのこと。顔の各所の動きを見て、2点とか0点とか採点して総合点を見ていたようだ。

今はそんなに重くないが、発症(1月1日)から1週間くらいは麻痺が進行して悪化する可能性があるので、ステロイド剤の点滴で予防するのが一番だという。入院してしっかり管理するのがベストだが、外来治療でもできないことはない。どうします?と聞かれたので「入院とまでは思っていなかったので、可能なら入院しないですませたいのですが……」と言いかけたら……。

 

「あ、ごめん、糖尿病あるのね。点滴やると血糖値爆上がりするから外来では出せないんだわ。入院する?」

……ほへ?入院一択?

 

とは言え自分はもちろん家族も入院の選択肢は考えていなかったので、まずは家族と相談します、基本入院のつもりですと答えて一旦退出。診察おわったら実家にそのまま向かおうと思って待機していた妻・娘に事情を話し、どうする?入院しちゃっても大丈夫かな?と相談。二人ともビックリしていたが、まあ入院してさっさと治すのがよいでしょう、ということになり入院を選択することに決定。同時に、当然ながら実家訪問も中止に。

 

再度の診察室で先生にそのことを告げると、じゃあまずは採血と採尿だけやるので入院の準備して昼前までに戻ってきて、ということになる。そう、この日耳鼻科は午前中のみなので、その後の諸々の検査は昼前に済ませないといけないのだ!

採血と採尿を済ませた時点で10時ちょっと前。看護師さんに「何時までに戻ればいいですか?」と聞くと「11時半までにはお願いします」と言われる。おー、賞味1時間ちょいしかないぞ。慌てず急がないと。

 

車の中で、もらったパンフレットの入院に必要なもの一覧を見る。着替えとか歯ブラシとかまあなんとかなりそうだ。一応毎日5分の面会は可能なので、足りないものはそこで持ってきてもらうことにする。とりあえず自分でないとわからないもので必須なものを揃えよう。なにはなくともノートPCとテザリング用のスマホ(残念ながらWiFiのない病院だった)、Switchやそれらの充電装備をつめこむ。年末に届いて目を通せてなかった分厚い本もカバンに突っ込む。いやもちろん、いつもの薬とか着替えとかもちゃんと用意しましたよ?

そんなこんなでバタバタと支度して病院に戻ると11時20分過ぎだった。優秀優秀(自画自賛)。

 

そこからは早速PCR検査、胸と頭のCTスキャン(脳梗塞と肺炎のチェック)、心電図、聴覚検査などをバタバタと。気がつけば12時40分過ぎくらい。一通りおわったところでようやく病室に行き、荷物を置く。もろもろ説明を受けつつ、コロナ禍で家族でも病室には入れないので、二人にはここで帰ってもらった。ビックリさせてごめん。そしてなによりありがとう。

ここでやっと昼御飯。糖尿病用の食事だったが、肉じゃが的な主菜と副菜の煮物、みかんと低脂肪ヨーグルトと思ったより充実していて、それなりにおいしかった。その前にお腹にインスリン注射したり、血糖値測ったり。

その後は15時くらいからステロイドの点滴。およそ1時間ほどで終了。入院関連の各種書類の説明を受け、シャワー浴の許可も出ていたのでシャワー室の予約と使い方を教わる。夕食は18時なので19時からの20分間を予約した。

 

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再度インスリン注射(今度は肩)と血糖値測定(170くらいだったか)の後、18時過ぎに夕食が来る。鮭の切り身のあんかけと大根・人参の煮物。若干薄味気味だが、味気ないということもなくやはり普通に美味しかった。昔は病院食、特に糖尿病食は美味しくないと聞いたものだが、時代は変わっているのですね。

 

19時に予定通りシャワーを浴びて戻ってきたあたりで「あ、これはせっかくだから色々記録しておかないと」とこのメモを書き始める。喉元過ぎれば熱さ忘れるで最近のことはすぐ忘れてしまうからね。アフターバーナーIIは全23面とか、ジ・Oの腰には隠し腕がある、とかそういうことは忘れないのだが。

20時半頃、寝る前の血糖値検査(21時消灯なのです)。言われた通り点滴と夕食効果で262と高かった。そうそう、目が閉じづらいので目の乾燥を防ぐため、1日4回の点眼薬と寝る前の眼軟膏も指示されているのだった。

眼軟膏!がんなんこう!バーンナッコォ!違う。

始めて耳にする自分には中々衝撃的なワードではありました。下まぶたを指でひっぱってそこにチューブから軟膏を塗る。その際、まぶたやまつげ・もちろん眼球自体に直接チューブがあたらないようにしなくてはならないのが結構大変。なにせ片目つぶるので距離感が図れない。洗面所で鏡を見ながらやってみたけれど、2、3回は無駄に軟膏をボトボト落としてしまう。苦闘の末になんとか塗れて、じっと目を閉じるとジワーっと涙がにじんできて軟膏を伸ばしてくれる。これで寝ている間目が閉じなくてもある程度乾燥から守ってくれるそうな。なるほどなるほど。おやすみなさい。

などなどとバタバタと、思わぬ方向に展開した大騒ぎな一日でした。

 

予告

一夜明けた病院は、未だ正月休みの特異な状態だった。事務手続きは先送り、回診も診察も行なわれぬまま淡々と患者の処置は進む。先の見えない新たな生活に飛び込み、看護師の怒涛の説明に脳を貫かれる中突然に舞い込んだ検査の判定結果は!?

次回、『祝日』。暗い売店の奥にあるものは、何だ。